IoPサブエンジン開発
AIを用いたキャベツの収穫量予測

取り組み名
IoPサブエンジン開発
AIを用いたキャベツの収穫量予測
概要
キャベツを定植してから収穫に至るまでの成長過程の画像データと、収穫時の重量データをAIで分析し、見た目情報を活用したより高精度な収量予測モデルの開発に取り組んでいます。

キャベツの販売形態の一つである契約栽培(重量契約)では、
事前に納品する数量や重量を報告する必要があり、下記のような課題があります。
課題01
露地栽培では天候や災害の影響を受けやすく、
収穫量の予測が困難
課題02
土壌や気候条件が
地域ごとに異なり、
既存のAIでは
高度な収穫量予測が困難
課題03
生産が計画通り
進まない場合、
契約不履行による
信頼損失のリスクがある
「画像データ×予測」の新たなアプローチ
既存のAIでは、天候などの環境データや育成データから収量を予測していましたが、農家の方々が実際に重要視している「作物の見た目(生育状態)」に関する情報が十分に反映されていませんでした。
そこで本プロジェクトでは、キャベツを定植してから収穫に至るまでの成長過程の画像データと、収穫時の重量データをAIで分析し、見た目情報を活用したより高精度な収量予測モデルの開発に取り組んでいます。

■ キャベツを定植してから収穫するまでの成長過程の画像データ
本プロジェクトでは、南国スタイル様協力のもと、 3品種のキャベツのデータを使用しました。
キャベツ1株単位ごとに定植してから収穫するまでの成長過程を1つの時系列データとして整理しました。

■ Step1:10日間隔で画像データを収集

昨年度は、キャベツの画像収集作業に際し、圃場のトラクターに固定したカメラで動画撮影を行いました。
しかし、農機の影や揺れなどにより画像の生成が失敗する事が多く、データの収集方法に課題が残っていました。
そこで今回は、左図のように人手によって自撮り棒を用いて圃場の撮影を行い、昨年度より高品質な画像データの収集を目指しました。
■ Step2:1株ずつアノテーション

画像アノテーションとは、AIが学習しやすいように、画像の中に写っている対象物に「ラベル付け」を行う作業のことです。
今回は手作業でアノテーションを行いました。
今後は作業効率化のためアノテーション作業もAIによる自動化を目指して研究しています。
■ Step3:3品種の重量データの収集

3品種、約1800株のキャベツの重量を計測しました。
AIの開発においては、このような地道なフィールドワークが重要です。
■ AIモデルの予測結果
以下の表では、いずれの品種においても誤差率は10[%]以内に収まっています。
実際のキャベツ農家への聞き取り調査によれば、収穫1か月前時点での予測では10[%]~20[%]程度の誤差が生じるとされており、これと比較すると、本活動で構築した予測モデルは高い精度を有していることが分かります。

以下の図は、横軸に実測値、縦軸に予測値をとった散布図で、赤い点線は「実測値=予測値」を示しています。データ点がこの線に近いほど、予測が正確であることを意味します。この図では多くの点が点線付近に集まっており、全体として予測が実測値に近いことが分かります。
また、点が点線の周りに帯状に広がっていることから、予測が極端に重すぎたり軽すぎたりする偏りがなく、バランスよく予測できていることも確認できます。

今後さらに品種データを増やすことで、より多くのキャベツ品種に対応可能な収量予測モデルに発展できると考えられます。
■ 技術の特徴
ー 画像データを活用することで見た目情報を取り入れ、AIの精度を向上させる
ー 見た目で成長度合いが分かる作物全般に活かせるAI構造
ー 画像検知系のAIと予測系AIの二つの技術を組み合わせたAI活用
ー 作物の流通を安定化させることで廃棄等を防ぐSDGsな活動
■ 実現する未来

